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部屋の掃除に丸二日かかるとか終わってるよね。
でも元が汚くないと掃除した気にならないのでこまめにはしないんだよ。決して面倒くさいとかそういうことではない…はず。

今回は世界一受けたい授業で目にしたものを書こうと思っているのですが、「土曜日じゃないか、なんで今更…?」と思った人は、私が掃除の話をした理由を考えればいいと思います。


確か芸術品の修復の話でした。
世界遺産レベルの絵画(壁画)の修復ではベタ塗りせずに、何本も線を引く手段で色をつけて修復するのは何故か? という問題があったのですよ。答えは「修復には手を加えすぎてはいけないから、必要最低限のことしかしないと世界規約で決まってる」(ベタ塗りだと元の作品を上塗りする感覚があるんだと思われます)だったのです。
 ゲストの皆様方は相変わらずのテンプレリアクション「なるほど~」「へぇ~」とかいいながら少しのけ反る、を見せてくれましたが、私としては「むむ…」って感じでした。
 多分この正解を見てとくに違和感なく「なるほどねー」って思った方は西洋的な芸術感覚を持っているんだと思います。逆にちょっとした違和感を感じた方は日本的な芸術感覚を持っているんじゃないかと思います。もちろんどちらが良いとかそういうのはないです。日本人なのに西洋的感覚っていうのは十分にあり得る話なので。あ、あくまで推測ですからちげーよって人ももちろんいると思います。その時は申し訳ない。
 そもそも西洋における建築は石でできていますからその作品の寿命はかなり長いです。逆に日本の建築の基本は木ですから例外はあれど腐るので作品の寿命は短い。そうなってくると作品のオリジナリティーあるいは価値というものが作品の中のどの部分に置かれるかということが推測できるかと思います。
 西洋の場合、長寿命の作品を作れるわけですから永遠を求め、また作品はそれ自体の素材にオリジナリティーが置かれます。だから彼らはボロボロになったパルテノン神殿も、コッロセウムも修復はしても完全にもとには戻しません。対して日本の場合、建築は短命なので作品の素材には価値を置くことはできません。ですから彼らは古くなってきた神社などを改築することに抵抗を覚えません。例えば古くなってきた神社を完全取り壊し、違う場所に同じ建物を建てるという遷宮の概念もここからきています。つまり日本人は作品のオリジナリティーを意匠・デザインに求めているといえます。また余談ですが日本独特のはかなさだとかの美意識もこういうもろいう建築に生きたことがゆえんなのかな? とも思います。
 だから「作品の素材を超えて修復してはならない」というルールを世界基準にするのはどうなの? というふうに私は思ったわけです。実際日本がこのルールに批准しているかどうかは知りませんが、まぁこの話はルールに対する意識の話なので関係ない…はず。

世界基準が西洋基準であることはボーダーレスを謳う現代においてもよくありますから、ちょっと気になったぜ程度の話でした。
 もっともらしいこと言ってそうだけど芸術学においては基本の「き」みたいなものです。ただ、得た知識がたまたまテレビを見ていて役に立ったたりすると嬉しいよね(何
 
あ、日本美術だからといってなんでも作った当時の姿に戻したがるかと言えばそんなことは全くないです。色の剥げた仏像や、また色落ちした源氏物語絵巻を見ても別に元の状態に戻そうとせず、そこに時の無情さや、作品のはかなさを感じる場合もありますからね。おそらく西洋の場合もまた然り。あくまで一般的に、今回においては特に建築に於いてはって感じです。

ではでは。


追記:
書くたびにカテゴリーが増えていくのは仕様…のはず。
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