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今年ももうすぐ終わりですから最後くらいまとめ的な日記を付ける。

 今年は何よりも3.11があったことが大きいわけで、本当に言葉通りあの日、あるいはあの災害を思わない日、聞かない日はなかったんじゃないかと思うくらいだった。もちろん年の節目が3.11という出来事に対して何らかの区切りをつけるわけではないんだけれども、それでもやはり2011年という年が終わるということは例年とは違った雰囲気があると感じる。
 思えば日本においては未曾有の災害が起こり、そして原発事故があった一方で、アラブの春と呼ばれる中東を揺るがす事態が起こり、安定だと思われていたユーロ圏が崩壊の危機に立たされ、あのアメリカで利権を独占する資本家への反発デモが起こった。原子力エネルギー、EU、資本主義……現代の社会基盤を構成するうちの多くのものが突然(それは予定された必然でもあったが)、危ういものへと変わっていった。
 明らかに、日本にとっても世界にとっても2011年という年はそこで歴史の線引きがあっても何にもおかしくない年だったように思う。
 しかしながら日本にあるこの得も言われぬ倦怠、諦念、無力……俗な言い方をすればこの年はまさに“ピンチはチャンス”という言葉を意識すべきであったのに、本当に驚くくらいに何も変化がない。いや正確には変わっているんだけど上っ面で表面的、一部の人間が本気で動いてもどこか冷やかな態度で迎えられる。もちろん時代は唐突に以前あったものが消滅し新しいものがぽっと出るものではないが、それにしてもひどいように思う。しかもそんな中でTPPや武器輸出法の見直し(そしてこれからくる消費税)などの大切な問題はよく議論もされないままに、震災という大きな問題の裏でいわばまかり通ってしまった。
 そして個人のレベルはどうだろうか? とりあえず、私の近辺を見ると明確に(震災、人災を含めた)3.11を意識しって講義を取り行った教授は3人。そして何らかの形でこれに関わった教授は数人。会話の中で積極的にこの問題について話す友人、教授も数人しかいない。別に表だって話題にしなければならないというわけではないし、重要なのはまず個人のレベルで心の中だけでもこれについて考えていくことだ。ただ私が所属する思考を主題とする哲学科においてこのレベルというのは結構私の中では落ち込んだ。むしろ哲学科だから浮世離れしてこういう問題に関わりたがらない、とも言えるかもしれないが…。
 ただ、最初の方で言ったように2011年が2012年に変わったところで被災した人々の現状は変わらないし、またそこで区切りをつけることに必然性はない。報道の量に比べると驚くべき速度でその本質が風化するこの3.11について自分は常に注目していきたい。

 次に私個人の話。もちろん3.11が私に与えた影響も非常に大きいが、もう上で散々話したのであえて中心には添えずに述べる。
 今年の私にとっての重要人物は岡本太郎、ライプニッツ、レヴィ=ストロース、ロジャー・ペンローズ、フーコーあたりだろうか。岡本太郎は今年生誕100周年だったこともあり、関連書籍や展覧会が多く開かれ単に触れる機会が多かったと言うにすぎない。彼の<明日の神話>が今年という年にとってどういう意味を持つのかは大変興味深いが…。
 他の4人はいずれも基礎演習の授業で自分が深く突っ込んで勉強した人たちだ。学問体系上では特にこの4人がひとくくりにされるようなことはないが、私の中では非常に密接に結びついている。キーワードは自由、歴史、唯物論、相対性、決定論……というあたりだけど、ここで詳しく書いても仕方ないからここまでにしておく。
 ・個人レベルと集団レベルでの思考や決断、行動、習慣にかなりの差異があるということ、そしてこれが分子生物学や力学、経済学上にも見られる特徴であるという興味深い事実
 ・私たちの選択が常に自由であるとは限らないし、むしろ物理学的にはそれは決定的で、かつ社会レベルで見てもかなりの次元でそれが制約されているという可能性
 ・脳と物理学との関係
 ・いわゆる“意味のないこと”と呼ばれる人間の行為の“意味”
 ・正気と狂気を分けるものの基準と歴史性
この辺のテーマが今年よく考えたことだ。去年は芸術のテーマが多かったけど今年は哲学的なものが多いかもしれない。
 そしてtwitterでもいろんな事柄について熱く(人に寄ってはうざったかったかもしれないけど)語った。かなり大きいことを放言していたような気がするけれど、それはある意味自分に葉っぱかけてるわけで、自分の中で決めたことを淡々とこなす不言実行の人と違い、私は大口叩いて自分の後に枷作らなくてはまともに行動できない有言実行の人だという告白にすぎないのです。まずは一つ一つ行動に移さなければなるまい。まして3年にもなればシューカツとかいうイベントが待ち構えているのだから。

 来年の目標は「ものごとに優先順位をつけて、集中してそれに取り組み、最後までやりとげること」(とある本の引用)
 具体的にはTOEICとフランス語検定。それから自分なりに芸術としてのゲームについて文章をまとめる。

ではでは長い文にお付き合いありがとうございます。
よいお年を。
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